審判にも注目!ワールドカップ2022に選ばれた6人の女性審判たち

アルゼンチン代表、そして世界的フットボーラーのリオネル・メッシ選手が悲願の世界一に輝いたワールドカップ2022

今大会は選手だけでなく、W杯史上初めて女性審判が選出され、その6名(主審3名、副審3名)の中に日本人も含まれていたことも大きな話題となりましたよね。この記事では、どのような方が選出されたのか改めてご紹介していきます。

Contents

サッカー界に新しい歴史を作った!3名の女性主審

まずは、主審として選出された3名をまとめます。

ステファニー・フラパール(フランス/1983年生)

フランス出身のステファニー・フラパールさんは、13歳の時にユースの試合の審判をしたことから審判のキャリアをスタートさせました。

2014年にフランス男子2部リーグ・ドゥで女性初の審判を務め、2015年の女子W杯カナダ大会でも審判を担当しました。さらに、2020年のUEFAチャンピオンズリーグで史上初の女性主審を務めた、まさに女性審判員のパイオニア的存在です。

国際サッカー歴史統計連盟から3年連続(2019〜2021年)で世界最高の審判賞を受賞しました。この賞を女性審判で受賞した方は、フラパールさんの前には1名しかいないという快挙を達成しました。

山下良美(日本/1986年生)

日本人の審判として唯一選出された山下良美さんは、子供時代からサッカーのある環境に育ち、大学時代ではサッカー部に所属していました。

大学卒業後、大学の先輩の坊薗真琴さんに誘われたことで審判を始めます。国際大会では、U-17女子W杯の主審として2016年のヨルダン大会、2018年のウルグアイ大会に参加しました。

2021年には、Jリーグ史上初の女性審判員として登録され、5月のJ3リーグ第8節で主審を務めました。このように審判に転身してから順調にステップアップして、ついに世界最高の大会・W杯2022カタール大会に審判として日本人で唯一選出されました。

サリマ・ムカンサンガ(ルワンダ/1988年生)

ルワンダ出身のサリマ・ムカンサンガさんは、10代の頃はバスケットボール選手として活躍し、その後サッカーの道へ転身したという異色の経歴を持つ審判です。

サッカーの審判に挑戦するために専門の教育機関への入学を試みましたが、年齢制限で入学できず、それまでの数年間は独学をして、その後に無事入学した努力家です。

本格的に審判員としての仕事を開始した当時は、男子アマチュアチームの試合などを担当するなど着実に経験を積み、2012年にFIFAの国際審判員として登録されました。2019年には女子W杯フランス大会で主審を担当し、2022年のアフリカネイションズカップでは初の女性審判員として活躍しました。

サッカー界に新しい歴史を作った!3名の女性副審

続いて、副審として選出された3名をまとめます。

ニウザ・バック(ブラジル/1984年生)

ブラジル出身のニウザ・バックさんは、大学の体育学部在学中に兄の薦めで審判の勉強を始めました。サンタカタリーナサッカー連盟の審判員養成コースで、2008年に優秀な成績を収めて認定証を取得し、翌2009年から本格的な審判員キャリアをスタートさせます。

2010年から徐々に大規模な大会で審判を務め、2014年にFIFAの審判員として登録されました。2019年には、女子W杯フランス大会の準決勝(イングランド対アメリカ)の副審を担当するなど、数々の大会での重要な試合で審判を務めています。

カレン・ディアス(メキシコ/1984年生)

メキシコ出身のカレン・ディアスさんは、本格的に審判として活動する前はスポーツセンターの喫茶店で働いていました。ある日、偶然お客であるサッカーリーグの担当者に当日の審判に欠員がでたため、審判をやらないかと声を掛けられたことが全ての始まりとなり、審判という仕事に魅了されていくようになりました。

その後はサッカーへの思いを原動力に経験を積み、2018年にFIFAの審判員に登録されました。同年の北中米カリブ海U-17女子選手権をはじめ、U-20男子選手権など多くの試合で副審を務めW杯カタール大会にも選出されました。

キャサリン・ネスビット(アメリカ/1988年生)

アメリカ出身のキャサリン・ネスビットさんは、2019年の女子W杯フランス大会の直前まで、アメリカ・メリーランド州にあるタウソン大学で研究所を立ち上げ、教育や脳化学物質の分析、開発などの研究を行っていた経歴を持っています。

2020年アメリカのメジャーリーグサッカーで、初の女性副審として決勝戦に指名されました。そして、W杯カタール大会の副審を担当するなど、順調にキャリアを積んでいます。

最後に

男性社会でもある審判員の中で、女性が食い込んでいくのは体力的にも精神的にもタフさが求められます。今回ご紹介した6名はまさにプロで、女性審判員のパイオニアになっていくでしょう。

今後も多くの女性審判員が、男子W杯で審判を務める試合が増えていくでしょうね。